色々な顔を持つ特急型電車「485系」 |鉄道模型 通販

 

色々な顔を持つ特急型電車「485系」

2023年04月18日

走行するJR 485系特急電車(上沼垂運転区・T5編成・はくたか)

先日、TOMIXより「JR 485系特急電車(上沼垂運転区・T5編成・はくたか)」の製品化が発表されました。
こちらの車両を見た際に「485系なら、うちにもあるけど…」と思われる方も多いと思います。
実際、当店のサイトで、「485系」と検索すると、ご覧の通り。

485系と検索した結果の画面


「軽く100件以上、ヒットしました」

この検索結果の一部を見ても「確かに…形は、ほぼ一緒」とはいえ、車両のカラーは様々ですよね。
色が違ったり、先頭部分が少し改造されていたりしますが、485系には変わりない。
では何故、485系は、こんなにたくさん種類があるのか?
そこで今回は、この「485系」について詳しくご紹介したいと思います。

国鉄時代に作られた特急型電車「485系」

485系が全国各地で多数、採用された理由は、実は国鉄時代に行われた電化事情が関係しています。

1950年代半ばから、国鉄は地方路線の電化を進めていきます。当時、関東、関西、中部などの都市部では直流電流を使用する「直流型電車」が採用されましたが、逆に地方路線では、地上の設備のコストを大幅に抑えることができることから交流電流を使用する「交流型電車」が採用されました。

このように地方路線も次第に電化されるにつれて、今度は特急列車の運転区間が拡大。次第に地方路線まで特急列車などが延長して運行することになります。
そこに立ちはだかるのが、先にご説明した「電流の方式が異なる」という問題。
電流の種類が異なるともちろん電車は動きません。なので「直流型電車」は地方で主流となっていた「交流型電車」が走るエリアは走行できない訳です。
さて、特急列車の運行をどうしたものか?

「それなら2種類の電流に対応した車両、製造すればいいんじゃないの?」

ということで、流れる電流が直流、交流のどちらでも走行可能な特急電車として誕生したのが、485系。 1968年に登場し、関東・関西・中部などの都市部から、東北・北陸・九州を結ぶ特急列車として、四国を除く全国各地で活躍する車両となった訳です。

全国で活躍した様々な「485系」

さて、さきほど当店のサイトで485系で検索した中にも、Nゲージがいくつかありましたので、ご紹介も兼ねて、様々な485系を見てみましょう。

最初はこちら。この国鉄カラーの車両を見て「懐かしい!」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

Nゲージモデルの485-1500系特急電車(はつかり)

こちらは485-1500系特急電車(はつかり)です。
1974年に製造された北海道向けの特別耐寒耐雪型ということで、札幌から旭川間のエル特急「いしかり」で運用された車両なのですが、想定を超える雪の影響から、1980年頃には781系に置き換えられる形で青森運転所に転出。
東北新幹線開業後は盛岡から青森間に短縮された「はつかり」や「白鳥」「いなほ」などで運用されることで持ち前の性能を発揮して活躍した車両です。
ちなみに列車の愛称「はつかり」は、秋に東北地方などに飛来する雁の群れをさす「初雁」という言葉から来ています。特急列車によくある鳥の名前とはひと味違って、趣ある愛称ですね。

Nゲージモデルの485-1000系特急電車(かもしか)

続いてはこちら。485-1000系特急電車(かもしか)。
主に東北地方での活躍を念頭に置いて、従来の485系よりも耐寒耐雪を強化した車両。
中間電動車であるモハ485形1000番代を先頭車化改造した車両で、特急「たざわ」短編成化を目的として1986年に登場した車両です。
秋田地区の485系は1997年よりアイボリーにブルーとピンクの帯をまとった塗装へと変更され、特急「かもしか」「こまくさ」で活躍した車両です。
先にご紹介した国鉄カラーを見た後だと、このブルーとピンクのカラーだけで、印象が大きく変わりますね。降雪の多い秋田地区。そんな冬の銀世界の中を走る485系の姿は、より一層、鮮やかに見えていたのではないかなと思ったりもしました。

Nゲージモデルの485系特急電車(しらさぎ・新塗装)

そしてこちらは、485系特急電車(しらさぎ・新塗装)
1964年12月に名古屋~富山の間で運行をスタートした特急列車「しらさぎ」。2003年まで、この485系で運行されていましたね。
東海地方にお住まいの方であれば、ご記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
最近の「しらさぎ」はその名の通り、ホワイトカラーの車両なので、今の感覚で見てしまうと、この独特のブルーの色づかいに「本当に、しらさぎ?」と思ってしまったり。
ちなみにこの特徴的なブルーカラーの485系のことを、しらさぎをもじって「あおさぎ」なんて呼ぶ方もいたとか。

走行するJR 485系特急電車(上沼垂運転区・T5編成・はくたか)

さて、最後は今回、製品化が発表されたこちら。485系特急電車(上沼垂運転区 T5編成 はくたか)です。
エメラルドグリーンのカラーが爽やかで目を引く車両ですよね。
ちなみに「上沼垂」は「かみぬったり」と読みます。難読地名のひとつで私も最初、読めませんでした。
1997年の北越急行ほくほく線の開通とともに運行を開始した特急列車「はくたか」は、この上沼垂色に塗装。ちなみに現在は新潟車両センターという名称になっていますが、2004年3月までは上沼垂運転区と呼ばれており、そこに所属していた485系には、この色が塗装されたことから、この色は「上沼垂色」とも呼ばれていました。
上沼垂運転区に配置されたこのT5編成は全車がグレードアップ車で統一され、写真のように「雷鳥」の他にも、北越急行ほくほく線への乗り入れが可能な編成として「はくたか」などとして運行していた車両です。

このように1968年に登場して以来、国鉄時代に多く製造されたこともあり、その形は同じでも、JRとなってからも全国各地の運行するエリアに合わせて車両のカラー変更や改造が行われるなどして、結果として様々なカラーの車両が全国各地で運行することになったのですね。
Nゲージでも今回、製品化が発表された485系特急電車(上沼垂運転区 T5編成 はくたか)をはじめ、全国各地を運行していた車両が多く製品化されています。
ぜひこの機会に485系の車両を手に入れて楽しまれてはいかがでしょうか?

今回は、全国で活躍した特急型電車「485系」についてご紹介しました。


485系特急電車(上沼垂運転区 T5編成 はくたか) 基本&増結セット

「はくたか」は1997年の北越急行ほくほく線開通とともに運行を開始した特急列車。上沼垂運転区に配置されたT5編成は「雷鳥」の他にも、北越急行ほくほく線への乗り入れが可能な編成として「はくたか」などに使用されました。

485-1500系特急電車(はつかり) 基本&増結セット

札幌から旭川間のエル特急「いしかり」で運用されるも想定を超える雪の影響などにより、1980年頃には781系に置き換えられる形で青森運転所に転出。東北新幹線開業後は盛岡から青森間に短縮された「はつかり」や「白鳥」「いなほ」などで運用され持ち前の性能を発揮しました。

485-1000系特急電車(かもしか)セット(3両)

クモハ485形1000番代は中間電動車であるモハ485形1000番代を先頭車化改造した車両で、特急「たざわ」短編成化を目的として1986年に登場。秋田地区の485系は1997年よりアイボリーにブルーとピンクの帯をまとった塗装へと変更され、特急「かもしか」「こまくさ」で活躍しました。

485系特急電車(しらさぎ・新塗装)セットB (7両)

「しらさぎ」は1964年12月に名古屋-富山間で運転を開始した特急列車で、2003年まで485系で運転されていました。1997年から一部のクモハ485200を含む車両が「しらさぎ」の付属編成となり、カラーリングも国鉄色へ変更、また2001年からは「しらさぎ」専用の新塗装が登場し、2003年まで活躍しました。

 

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