間もなくリニューアルで姿を消すE259系「成田エクスプレス」 |鉄道模型 通販

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間もなくリニューアルで姿を消すE259系「成田エクスプレス」

2023年04月10日

走行するE259系「成田エクスプレス」

1991年の運行開始以降、首都圏主要駅と成田国際空港を結ぶ空港アクセス特急として運行してきた、E259系「成田エクスプレス」。 首都圏近郊にお住まいの方や成田空港を利用される方にとってはおなじみの車両ではありますが、地方にお住まいの方や、利用の機会がない方にとっては、あまり馴染みがない車両かもしれません。

この車両が、まもなくその姿を見ることができなくなることはご存知でしょうか?とはいえ「引退」というわけではありません。

近年は通勤、レジャー等でも利用があり、時代とともに利用目的が多様化していることから先日、JR東日本より「新生E259系としての進化」をコンセプトとして、デザインがリニューアルされることが発表され、その車両が順次変更されることから、現在の姿が見れなくなりつつあるんです。
E259系「成田エクスプレス」は、特にNゲージでは何度か製品化されてきた定番の商品ですので、見たことがある方、もしくはお手元にお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これまでのデザインに慣れ親しんだ者としては、このニュースは少し寂しい気もします。

そこで今回は、話題となっているリニューアルしたデザインイメージとこれまで活躍してきたE259系「成田エクスプレス」と比較して、どのように変わったのかに注目もしながら、「成田エキスプレス」が誕生した背景なども含め、詳しくご紹介したいと思います。

成田エクスプレス誕生の背景と1991年に登場した253系

「成田エクスプレス」が誕生した理由。これは、当時の都心から成田空港のアクセスの悪さが関係しています。
成田エクスプレスが登場する以前、成田空港へのアクセスと言えば、リムジンバス、もしくは京成電鉄のスカイライナーの2つしか手段がありませんでした。
リムジンバスでの移動は、高速道路の渋滞がネックとなり移動に時間がかかりましたし、京成電鉄のスカイライナーは当時の成田空港駅(現在の東成田駅)到着後に、空港行きの専用バスへの乗り換えが必要で、都心から成田空港へ移動するには、お世辞にもスムーズとは言えない状況でした。

そこで、これらの問題を解決すべく1988年10月に設立されたのが成田空港鉄道。当時、建設が中断されていた成田新幹線(東京駅~成田空港駅の区間)の設備の一部を活用することで、成田空港ターミナルビルへの乗り入れが実現し、1991年3月19日にJR東日本と京成電鉄と共用する形で鉄道の運用が開始されます。

走行する253系 「成田エクスプレス」

さて、運用開始と同時にJR東日本が特急「成田エクスプレス」の専用車両として導入したのがこの「253系」です。
現在、Nゲージなどでも入手困難な車両のひとつであり、当店でも欠品となっているのですが、この「253系」の姿を見て「懐かしい!」と思われる方や、お手元に車両がある方などもいらっしゃるのではないでしょうか?

京成電鉄のスカイライナーに遅れて空港アクセス路線に参入し、さらに千葉駅を経由する空港へのルートが大回りになるという弱点を持つJR東日本には、何よりも顧客の獲得が急務でした。
そこで乗客のニーズに応えるべく、大宮・新宿方面発、横浜発の車両を東京駅で連結、成田空港まで運行し、広範囲のエリアをカバーすることで、JR東日本の特急「成田エクスプレス」の利用客は順調に増加。そこで新規車両の導入が浮上します。

2009年に登場したE259系「成田エクスプレス」

走行するE259系「成田エクスプレス」

そして利用客の増加を受け、253系の後継車として2009年4月に登場したのが、この「E259系」。
登場した年には国内の優れたデザインのものに送られる「グッドデザイン賞」を受賞。さらに2011年(平成23年)には、鉄道関連では唯一となる国際デザインコンペティションであるブルネル賞を受賞するなど、国内外でもそのデザイン性の高さが評価された車両でもあります。

外国人乗客を意識し、英語名の Narita Express から略された「N’EX(ネックス)」の文字が先頭に付いた車両は、ひと目で「成田エクスプレス」と分かるデザインでしたし、何より先頭部分に、車両の名称をこれほどダイナミックに白と黒のカラーを基調としてまとめたデザインも、他にあまりないことから、遠くから目にしても強く印象に残る車両でもありました。
このデザインのE259系は今年、2023年4月以降に順次、リニューアルされたデザインの車両に変更されるとのことですので、これまで慣れ親しんだ「N’EX」の文字が先頭に付いたデザインは次第に姿を消すことになります。

NゲージモデルのE259系「成田エクスプレス」

では、リニューアル後は、どのように車両のデザインが変わるのでしょうか?
ちょうどNゲージモデルが手元にありますので今回、JR東日本から発表されたリニューアルイメージと比べて見てみましょう。

NゲージモデルのE259系「成田エクスプレス」の先頭部分と新しくなるデザインの比較画像

まずは先頭部分を中心に見てみますね。
これまでのE259系は、先頭部分の中央部に大胆に置かれていたブラックカラーに白抜きで「N’EX」のロゴを縦に走るように配置。このモノトーンのカラーデザインは、愛称のロゴを際立たせ、車両の印象をより強いものにしていましたね。

リニューアル後のE259系で特徴的なのは、これまで先頭部分の中央部に大胆に置かれていたブラックカラーがシルバーに変わったことですね。そして先頭部分にあしらわれた「E259」のロゴは新たに今回、デザインされたもの。横置きとなったロゴは、先頭部分上部にコンパクトにまとまっているせいか、スタイリッシュな雰囲気を印象付けています。

NゲージモデルのE259系「成田エクスプレス」の側面部分と新しくなるデザインの比較画像

続いて側面を見比べてみましょう。
これまでのE259系の側面では、屋根の赤色が上部の輪郭を際立たせるだけでなく、側面の白と窓部分の黒との色の対比が生まれることで、車両をさらに美しく魅せてくれていましたね。
そして乗降口部分の上部や横に「N’EX」のロゴを入れて、成田空港へ向かう特急列車であることをスマートに表しています。

リニューアル後のE259系は、これまでの「成田エクスプレス」のイメージを継承しつつ、先頭部分同様にシルバーカラーを取り入れていますね。特に側面の後部には直線が印象的なロゴを大きく入れて、車両名を全面的にアピールしているせいか、これまでとはまた違ったインパクトある車両に仕上がっています。

こうして比較してみると、それぞれのデザインの良さが改めて見て取れますね。
リニューアル後のデザインイメージを目にしてしまうと、リニューアルした新E259系の商品の登場が待ち遠しくなるところですが、やはりこれまで活躍したE259系が姿を消してしまうとなると、在りし日の姿を鉄道模型など形ある姿で手元に残しておきたい気持ちになりませんか?

実はこのE259系「成田エクスプレス」はこれまで様々なシリーズで製品化がされています。
先ほどの比較画像でご紹介したリニューアル前のE259系のNゲージモデルも実車さながらに、かなり精巧に作られていますよね。
定番のNゲージでは車両セットの商品もございますが「この機会にNゲージを始めてみたい」という方には、レール、制御機器、そして、E259系「成田エクスプレス」のNゲージモデルが入った入門用セットがおすすめ。こちらはお手元に届いたら、すぐにNゲージをお楽しみいただけます。
そして、まだNゲージには早いお子さまには、親子で一緒に楽しめるアイテム「プラレール」がおすすめですよ。
ぜひこの機会にこれまで活躍したE259系の商品を手に入れてご自宅で楽しまれていかがでしょうか?

今回は、車両デザインのリニューアルが決まり、現在のデザインが間もなく見ることができなくなるE259系「成田エクスプレス」についてご紹介しました。



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E259系特急電車(成田エクスプレス) 基本&増結セット

2009年10月より運転を開始したE259系特急列車「成田エクスプレス」。前面貫通扉には「成田エクスプレス」を示す愛称である「N’EX」のロゴが付いています。

E259系 「成田エクスプレス」 基本&増結セット

2009年10月より運転を開始したE259系特急列車「成田エクスプレス」。前面貫通扉には「成田エクスプレス」を示す愛称である「N’EX」のロゴが付いています。

S-15 成田エクスプレス(専用連結仕様)

3両編成は切り離し可能で、3両目に専用連結ギミックを搭載。成田エクスプレス同士の連結が楽しめます。

 

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