都営地下鉄(東京都地下高速電車)について
都営地下鉄(東京都地下高速電車)は東京都の運営する地下鉄です。
東京の地下鉄といえば東京メトロが最も有名と思われますが、両者は全く別の組織となります。
浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の4つの路線から成り立っており、各路線は鉄道の仕様が異なっています。
浅草線は標準軌、三田線は狭軌、新宿線は変則軌間、そして大江戸線に至っては標準軌がベースにリニア方式となっています。
元々東京の地下鉄は、営団地下鉄(後の東京メトロ)が建設等担当するものとされておりましたが、1957年の都市交通審議会により、営団地下鉄だけではなく、他の組織で進めることが決まりました。
当時、後の浅草線となる第1号線は営団地下鉄へ免許が発行されていましたが、これを受けて東京都と京浜急行電鉄へ受け渡されました。
後に現在の三田線と新宿線となる第6号線と第10号線も東京都が建設することとなりました。
東京都にとって初の地下鉄路線となった浅草線は紆余曲折を経て建設されることになりました。
京成線と京急線へ乗り入れも行われている浅草線ですが、1956年建設当初は京成側から工事が始まりました。
当時は日比谷線も同時期に建設が開始され、両者は競い合うように工事が進められました。
しかし、浅草線はゆるい地盤の影響によって工事に遅れが出たり、地盤が陥没して死者の出た事故も起きました。
こうしたトラブルが重なり、1964年の東京オリンピックまでに全線開通を目指していたものの、ついに間に合うことはありませんでした。
なお、開業当初は東京都の運営する地下鉄は他になかったため、浅草線は都営地下鉄線と呼ばれていましたが、その後三田線が開業したことで浅草線と故障されることになりました。
都営地下鉄の車両の中でも特に変わった車両として「10-300R形」があります。
先頭車両のみ最新型である「10-300形」を使用し、中間車両は全て「10-000形」という異端の車両です。
そもそも都営新宿線では開業の頃から10-000形が活躍していました。
しかしながら後に老朽化化や保安装置の更新を目的として新型である10-300形が開発されました。
その中でコスト削減や、老朽化の浅い10-000形の中間車両を有効活用するために、当初6両であった10-000形を8両にする際に増備した中間車のみ更新改造して使用することになりました。
こうして保安装置の更新のために先頭車は10-300形、中間車は10-000形という編成が誕生したのです。
なお、この10-300R形は鉄道ファンの間では先頭車のみ新型で中間車が古いのはみっともないなど、不満の声もあるようです。
基本的に10-300R型の先頭車は10-300形と同様のものになりますが、内部のメカニズムは10-000形に合わせた造りとなっています。